学習内容が大幅に増えたが,授業時数は足りるのか。

 

学習内容の増加は,次の4点をねらいとしている。

@ 科学に関する基本的概念の一層の定着を図る。

A 観察,実験の結果を分析して解釈するなどの学習活動を一層重視する。

B 科学的な思考力や表現力の育成を図る。

C 日常生活や社会との関連を重視し,科学的な体験,自然体験の充実を図る。

 

一方,授業時数の増加は,次の表のようになっている。

 

第1学年

第2学年

第3学年

平成元年度告示

105

105

105〜140

平成10年度告示

105

105

80

今回

105

140

140

つまり,授業時数は平成元年度の学習指導要領以上に増えていることから,増えた分の授業時数をどう生かすのかが,今回の学習指導要領改訂の成否を左右すると考えられる。

 

中学校学習指導要領解説−総則編−の「第3章 第5節教育課程実施上の配慮事項」には,次のような項目が示されている。

1 生徒の言語環境の整備と言語活動の充実(概要はこちら)

2 体験的・問題解決的な学習及び自主的,自発的な学習の促進(概要はこちら)

6 見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動の重視(概要はこちら)

 

また,同じく−理科編−の「第3章 指導計画の作成上と内容の取扱い」には,次のような項目が示されている。

1の(2) 十分な観察,実験の時間や探究する時間の設定(概要はこちら)

1の(3) ものづくりの推進(概要はこちら)

2の(1) 科学的に探究する能力の基礎や態度の育成(概要はこちら)

2の(3) 日常生活や社会との関連(概要はこちら)

 

内容の増加以上に増えた授業時数は,これらの項目の趣旨を実現するために生かすことが大切である。