科学的に探究する能力の基礎や態度の育成

 

観察,実験,野外観察を重視するとともに,地域の環境や学校の実態を生かし,自然の事物・現象を科学的に探究する能力の基礎と態度の育成及び基本的な概念の形成が段階的に無理なく行えるようにする。

 

<観察,実験の意義>

理科の学習が次のような過程を経ることから,観察,実験は極めて重要である。

@ 自然の事物・現象を生徒が自ら調べ事実を確認する。

A 自然の事物・現象への直接的な取組みを通して,自ら問題を見いだしたり,適切な実験を計画したり,実験操作を工夫して行ったり,実験の結果について自らの考えを導き出したりする。

B それを表現することで自分の考えを確認したり自然の事物・現象をよりよく理解できたりするようになる。

 

<野外観察の重要性>

生徒の生活の場である地域の自然環境の実態をよく把握し,その特性を十分に生かすことで,野外での探究する活動を効果的なものにする。

○ 自然に直接触れることによって自然の営みや自然の偉大さを感じ取り,自然に対する興味・関心を高めることができる。

○ 自然を直接観察し,自然の事物・現象の中から生徒自身で問題を発見することにより,探究する活動を意欲的なものとすることができる。

 

<指導のポイント>

理科の内容項目の中には,基本的な概念を支えるいろいろな概念が含まれている。それらに関する事物・現象を探究していく中で,生徒一人一人の中に科学の基本的な概念が形成されていく。生徒が観察,実験に主体的に取り組めるようにして,科学の基本的な概念の形成を図る。

○ 授業展開の中に,問題の発見,実験の計画と実施,器具などの操作,記録,データの処理,モデルの形成,規則性の発見など,科学的に探究する活動を設定する。

○ 目的意識をもって観察,実験を行い,得られたデータを分析して解釈し,適切な判断を行うような経験,科学的な根拠を踏まえ論理的な思考に基づいて判断する経験の場を繰り返し設定する。

○ 生徒が自然の事物・現象について理解を深め,知識を体系化するため,科学の基本的な概念を身に付けさせる。

○ 科学の基本的な概念は,自然の事物・現象における規則性を生徒が発見していくことによって徐々に育てられていくことを踏まえる。

 

(「科学的に探究する方法を習得させる指導」はこちら)