インド教育支援プロジェクト 概要

公開日 2017年01月10日

目的

 このプロジェクトは,「総合的な学習の時間」の取組として,商業科目の「ビジネス基礎」や「ビジネス実務」,「情報処理」の要素を複合的に取り入れ,専門教科と実践を結びつけ,生徒が地域と関わりながらグローバルに物事を考え,横断的,体験的に商業に関する知識や技能を学びながら地域貢献,国際貢献をすることを目的にしています。

 具体的には,インドの恵まれない子どもたちの教育費として何らかの形で資金を集め,支援先のNGO団体(Be Benevolent)に送金します。

 

資金の集め方

 資金の集め方として,商品券付募金を企画しました。募金に商品券を付けることで,募金にご協力してもらった方々や企業に取り組みに関心を持っていただけるのではないか。さらに、私たちの活動やインドの教育事情,募金したあとの使われ方などさまざまな情報提供できるのではないかと考えました。 

                           

                                                      商品券付募金のイメージ

※ 重なっているところが集まった資金の中から商品券を発行する部分。つまり,商品券付募金を表しています。

商品券付募金の概要

 趣旨に賛同する企業に募金箱とポスターを設置し,1円でも募金をしてくれた消費者が,商品券に応募することができます。名前(ペンネーム可)と電話番号を応募用紙に記入し,募金箱に募金とともに入れます。後日,当選者には電話連絡をして,募金先の企業で私たちが発行した商品券を受け取ってもらいます。商品券は期日内にそのお店で使用していただき,地域の消費を刺激することになります。

さらに,商品券にはNGOのホームページのQRコードが記載されています。そこではインドの子たちの様子が動画や写真でみることができるようになっています。自分の募金がどのように使われているのかを知ることもできます。

 スライド5   スライド7

なぜインドなのか?

 私は4年前に一旦教職を離れ,自分の視野や見識を広げるために海外の学校を見て回る旅に出ていました。インドのヴァラナシで出会ったプライベートスクールを設立したThinkuさんとオーストラリアで出会ったNGO団体を立ち上げたAmyさんが中心となって,貧困にある子どもたちのために教育支援活動を行っていました。ヴァラナシという地域は治安も良いとは言えません。親を亡くした子どもやつらい経験をしているこどもがたくさんいます。道端で物乞いをしている子どもも珍しくありません。支援活動する彼らの姿に心打たれ,またその貧困の中で夢を持ちながら勉強している生徒の姿を真近にみて,どの国の子どもたちにも教育が必要だということが確信しました。それと同時に何かできることはないかと常々,考えていました。その話を生徒にしたところ,6人の生徒が集まってくれました。

DSC_0168 最初の集合写真

   【オリエンテーションで話を聞く様子】         【話を聞いて集まってくれた6人】

インドの状況

 近年のインドは,IT産業の発達により経済発展が著しい国として注目を浴びています。しかし,それは一部の都市の話で,インド全体で捉えたときには多くの人々が貧困と闘っています。その背景にあるのが,カーストと呼ばれる身分制度の名残です。カーストは生まれた親でその子の一生が決まってしまう風習です。職業も結婚も同じカーストのなかにあり,教育も受けるべきではないという考えの方が少なくありません。そのため貧困者は一生貧困から抜け出す事が出来ません。

インドの国勢調査の話によれば,「教育を受けていない人」と「小学校中退以下」の学歴の人が全体の約3割を占めています。(私が行って感じたところでは5割ぐらいの気もします。)インドの法律では,初等教育(小学校5年と中学校3年)は義務教育になっています。

しかし,貧困ゆえに教材が買えなかったり,学校までの交通費が無かったり,家計を助けるために働かなくてはいけないので学校に通うことが出来ない現状があります。また,女性差別の風習も根深く残っており男子児童に比べて女子児童の就学率は低くなっています。

 1日あたり2ドル以下で生活している貧困と呼ばれる人の割合が2010年では68.7%といわれており,支援先の地域(ヴァラナシ)においては,教育を受けた人でも1か月の平均月収が日本円で換算すると15,000~20,000円($1=100円)だそうです。

 

被支援者2 被支援者1

        【支援先の家族(1)】                  【支援先の家族(2)】

 

 NGO(Be Benevolent )の取組

  このNGOはインドのヴァラナシという地域でプライベートスクールを運営してます。インドは多様な宗教が入り混じった国でそれは子どもたちの入学も複雑にしているところがあるといいます。義務教育が法律で定められているが,それに見合う整備がされていないのが現状です。このスクールでは日本でいう塾みたいな形をとり,幼稚園から小学校3年生ぐらいまでの学習支援をしています。そのほか,入学の手続きや制服や教科書など学校に必要な経費を購入し,配給しています。入学ができる環境を整えることと学校生活に適用できるような支援活動をしています。

 

子どもたち1 子ども2

      【通っている子どもたち(1)】           【通っている子どもたち(2)】

  2012年10名の児童から始まり2016年には30名まで増加している。

  予算の関係上これ以上こどもたちを増やすことができないのが課題であるとNGO代表のAmyさんは話します。

 

 

                        -次へ-