公開日 2017年06月12日
4月23日(土)
5名の生徒と引率3名を乗せた飛行機は,予定より20分も早く飛び立った。
経由地の青島空港では,タラップを降りると,本来禁止されている飛行場内での記念撮影を空港の係員に撮ってもらうことができた。
まずは緊張の入国審査。
搭乗ゲートに着くと時間があったので生徒達はショップに入り物価を確かめていた。
ふと耳を澄ますとすでに搭乗が始まっていた。
慌てて生徒達を探し,ゲートを通過させ,北京へ向け離陸した。
空港では匯文(カイブン)中の先生方に迎えられ,中国の地に足を下ろしたときもう暗くなっていた。
学校のマイクロバスで一路天津へと向かった。
初めて見る中国の地が暗くて見えなかったのは少し生徒は残念だっただろう。
しかし,夕食用にもらった中国版ケンタッキーのチキンバーガーが独特なピリ辛味でおいしかった。
日本時間の10時を過ぎた頃,トイレ休憩も兼ねて高速道路サービスエリアのコンビニに入った。
生徒たちの初めての中国での買い物である。
恐る恐る学校で習った中国語で買い物をしていた。
3時間ほど車に揺られ,やっと匯文中に着いたのは日本時間の夜11時過ぎで,校長先生や寮担当の先生方に迎えて頂いた。
生徒の宿泊するのは元々,職員用の寮で二人部屋だった。
緊張の1日目が終わった。
4月24日(日)
2日目の朝8時半頃に寮の2階の部屋に入ると各生徒たちは期待にあふれた表情だった。
これからホスト役の中国の生徒らとそれぞれ天津市内観光である。
学校で学んだ中国語が発揮される時だった。
後で聞いた話では,中国語・英語・日本語・ゼスチャーなど,あらゆる方法でコミュニケーションをとったらしい。
4月25日(月)
3日目は,匯文中の校内を案内してもらった。
中学生から高校生まで千人近くの生徒が学んでいる大きな学校に見えたが,中国ではそれほどでもないらしい。
歴史資料室や図書室を見学してから,生徒は中国の生徒と一緒に音楽の授業を受けた。
生徒たちは,初めに東高校の校歌を歌い,大きな拍手で授業に迎えられた。
その後,生徒たちは地理の授業を参観した。
言葉は分からなかったが貿易に関する内容で楽しかったようである。
午後は,生徒らと引率者で天津市内の古文化街の散策と買い物をした。
中国の古い町並みが残っている観光地である。
多くのお土産屋さんがあり声をかけられた。
生徒たちも片言の中国語で値切りながら買い物ができたようで感動していた。
午後から匯文(カイブン)中の先生に案内され,大都市天津の市内観光をした。
そしてその夜は匯文中の生徒・先生方が学校の食堂を利用し,送別会を開いてくれた。
日・中・英語,そしてゼスチャーを交えながら,初めての北京ダックを含む中華料理を楽しんだ。
夕食の中で,片言の中国語で,匯文中の校長先生たちにお礼を言う東高校の生徒達や,逆に,片言の日本語で日本人教師にお礼の挨拶をする匯文中生徒らの姿を見るのは感動的だった。
生徒達は,制服交換しての記念撮影をして天津での最後の夜を終えた。
4月26日(火)
滞在4日目早朝,匯文中のバスで北京へ向かった。
北京郊外の「明十三陵」と「万里の長城」が目的地である。
ともに中国の皇帝の強大な権力を示す史跡である。
博物館内の皇帝の衣服は豪華絢爛で,王妃の履いていた纏足(てんそく)用の靴は驚きであった。
この日のハイライトは万里の長城であった。
延々と続く城壁の長大さに驚かされた。
急な石造りの坂道を上りながら,当時の中国に思いをはせた。
生徒は元気に先を歩き,絶景を見つけては,匯文中の先生達をつかまえて,記念写真を撮っていた。
中国の先生方も,人なつっこい生徒達に嬉しそうな表情をしていた。
その日の夜は,匯文中の先生方と北京市内のレストランで最後の夕食をともにした。
1週間近くともに過ごすと,国籍を超えたつながりが,生徒達と中国の先生方の間にできたような気がする。
4月27日(水)
朝,中国最後の日に,北京空港までわざわざ見送りに来てくれた先生方と名残惜しそうに握手をしている生徒達の姿を見ると,今回の中国派遣が大成功であったことを確信させてくれた。