最終更新日 2026年04月15日
穏やかな春の日差しが降り注ぎ、校舎を取り巻く木々にも新緑が芽吹き始める、彩り豊かな季節となりました。今日のこの佳き日に、ご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、鹿児島県立鶴丸高等学校入学式を挙行できますことを、職員一同、心から感謝申し上げます。
ただ今、入学を許可しました三百二十一名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
先月の卒業式では、旧制鹿児島一中と鹿児島高等女学校の統合後、鶴丸高校として第七十七回生となる卒業生を送り出しました。したがって、皆さんは、卒業する時には鶴丸高校第八十回生となる、記念すべき節目の入学生です。本校の一員となられたことを祝福するとともに、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
本校は、明治二十七年、旧制鹿児島一中の前身、鹿児島県尋常中学校開校から数えて百三十年を超える、本県で最も古い歴史と伝統を誇る高等学校です。これまでに四万七千人を超える先輩方が本校で学び、国内外の様々な分野で活躍されています。皆さんも、この伝統ある学び舎で高い志を抱き、充実した学校生活を送ってくれることを願っています。
さて、皆さんが鶴丸高校生としての第一歩を踏み出すにあたり、本校の教育の根幹である建学の理念と校是についてお話しします。
体育館の前方に掲げられている通り、本校には三つの建学の理念があります。一つ目は、真摯な態度で意欲的に学び、真理を探求し続ける姿勢を示す「好学愛知」。二つ目は、自らを律しつつ、他者を敬い大切にする「自律敬愛」。三つ目は、誠実に努力を積み重ねる姿勢と、困難を乗り越えようとする心身のたくましさを示す「質実剛健」です。この三つの理念は、鶴丸生が学校生活を送る上での人格的・態度的基盤であると同時に、「いかなる姿勢で学び」、「いかに他者と関わり」、「いかに人生を切り拓いていくか」という、人としての在り方を示す大切な指針でもあります。
そして、これら三つの理念を体現した先に目指すべきものが、本校の校是である「フォー・アザーズ(For Others)=他者のために、社会のために」という精神です。このフォー・アザーズは、単に自己犠牲を求めるものではありません。鶴丸での学びを真摯に深めていく過程で、人として自らに課せられた役割と責任を自然と自覚し、自発的に他者や社会のために行動できるようになることを意味しています。
「フォー・アザーズ」の精神を実りあるものにするためには、まず自分自身を深く磨く学びが欠かせません。鶴丸での学びとは、知識を蓄えるだけでなく、問いを立て、考えを深め、仲間と対話しながら、自分の視野と可能性を広げていく営みです。変化の激しい時代にあって、皆さんが社会の課題を自分ごととして捉え、よりよい未来を創り出す力を育むためには、この主体的で協働的な学びが必要です。ここ鶴丸高校に集った仲間たちとともに切磋琢磨しながら、自らの内にある力を開花させていってください。
今日の入学式は決してゴールではありません。むしろ、皆さんが自分の可能性を広げ、未来を切り拓くための本当のスタートです。八十回生となる皆さんが、ここ鶴丸高校での学びを礎に、未来の社会をよりよいものへと導く創り手として成長していくことを心から期待しています。
最後になりますが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。百三十年を超える伝統を受け継ぐ本校に、大切なお子様をお預けいただきますことに深く感謝申し上げます。私たち教職員一同、生徒たちが安全で、安心して学べる環境を整え、一人ひとりの持つ優れた能力をさらに引き伸ばせるよう、全力で支援していくことをお約束いたします。保護者の皆様におかれましても、本校の教育方針にご理解を賜りますとともに、学校が充実した教育活動を進めていけますよう、ご支援とご協力をお願い申し上げます。
結びに、本校の教育活動に対し、温かいご理解とご支援をいただいている関係各位に感謝とお礼を申し上げ、式辞といたします。
令和八年四月八日
鹿児島県立鶴丸高等学校
校長 黒木 誠





