全校朝会2(令和8年5月11日)

最終更新日 2026年05月12日

 先ほどは、教育実習の先輩方の紹介がありました。実習生が授業に入る学級の皆さん、ご協力をお願いしますね。
 さて、今日の全校朝会のお話は、昨年度もちょうど今頃にお伝えした内容と重なりますが、昨年度の全国学力・学習状況調査の中学生の結果を見てみたいと思います。これは令和7年度の中学3年生が対象の調査ですので、ここにいる1年生の皆さんが受けたものになります。
 この調査は、全国と比べて鹿児島の小中学生の学力がどうかという点ばかりが注目されがちですが、私は、生徒や学校が回答したアンケート結果に注目しています。次のシートを見てください。

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 昨年度もお話ししたとおり、「自分にはよいところがあると思いますか」という自己肯定感に関する質問では、全国平均より6ポイントほど低い結果が出ています。また、「先生方はあなたの良いところを認めてくれますか」という質問についても、全国平均より6ポイントほど低い結果でした。
 さらに、全国平均と比べて大きく差がついているのは、「自分の考えを発表する」「話し合い、お互いの意見の良さを生かして解決方法を探る」「スピーチやプレゼンテーション」といった学習活動です。これらの項目は、いずれも大きく水をあけられています。
 本県の生徒が苦手としている学習活動は、「発表」「スピーチ」「プレゼン」「話し合い」と非常に明確です。

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 この力は、当然ながら「他者との関わり」なしには身につきません。知識を教わるだけなら、今の時代は配信授業でもある程度は可能かもしれません。しかし、人間は生身の人とのやりとりの中で学び、気づき、課題を解決していくものです。こうした力こそ、これからの社会で求められるものであり、学校教育の大切な役割でもあります。
 そのため、授業では、昨年度から先生方にお願いしているように、一方的な講義形式だけでなく、皆さんが発表したり、話し合ったり、他者との関わりの中で課題を解決していくような、アクティブな学習の場面を増やしていただいています。皆さんもこの点を意識し、主体的・積極的に授業に参加してみてください。
 1年生の皆さん、少しは周りの友達と話ができるようになってきましたか。特に、違う中学校から来た友達や、これまで面識のなかった人にも、勇気を出して話しかけてみてください。内向きにならず、他者と関わろうとする姿勢が、これからの時代には必要です。ただし、他者と関わることには、不用意な言葉で相手を傷つけてしまうなど、難しさもあります。そのときは、前回の全校朝会でお話しした「自律敬愛」、特に「敬愛」の精神を思い出してください。お互いを思いやり、一人の人として尊重し合う姿勢を大切にしてほしいと思います。

 さて、少し「自己肯定感」の話に戻ります。私はこれまで、自己肯定感が低いのは本県の子どもたちの控えめな気質が表れているだけで、過度に問題視する必要はないのではないかと考えていました。しかし、今年、県教育委員会が県独自の学力・学習状況調査で、自己肯定感と学力の関係をクロス分析した資料がありましたので触れておきます。
 結果は、「自分にはよいところがあると思う」と肯定的に回答した児童生徒は、教科正答率が相対的に高い、つまり相関が高いことが分かりました。
 それ以上に相関が高かったのは、「先生は自分のよいところを認めてくれていると思う」という“他者信頼”の項目です。先生方から認められているという実感が、学習への安心感や意欲につながり、理解を支えている可能性が示されています。「褒めて伸ばす」ということの大切さが、改めて裏付けられたと言えます。
 また、「自分でやると決めたことをやりとげている」(粘り強さ)という項目も、成績との相関が明確に表れています。課題に粘り強く取り組む姿勢が、学習内容の理解や定着に直結していると考えられます。
 一方で少し意外だったのは、「難しいことでも失敗をおそれず挑戦している」(挑戦心)の項目です。これは、自己評価と学習成果の間に単純な正の相関が見られず、挑戦を前向きに捉えていても、学習の理解や定着に結びついていないケースが含まれている可能性が示されています。

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 最後に、次のシートを見てください。前半は少しネガティブなデータを示しましたが、この資料では、鹿児島の生徒が全国平均を大きく上回った項目をまとめています。
 最も大切な「健康」や「生活リズムの確立」で他県を大きく上回っていること、学校での学習が自分のためになっていると前向きに捉えていること、そして何より「学校に行くのが楽しい」と感じている割合が全国を大きく上回っていることは、私自身、鹿児島の子どもたちを誇らしく思う点です。皆さんには良いところがたくさんあります。どうか自信を持って頑張ってください。

 以上で今日のお話を終わります。
 今月下旬からは、3年生の多くにとって引退試合となる高校総体が競技ごとに始まります。先ほど触れたように、「自分でやると決めたことをやりとげる」という粘り強さが高まれば、きっと良い結果につながるはずです。健闘を期待しています。
 それでは、皆さん、5月も頑張っていきましょう。