学校だより〜第47号〜 「南雲」 令和4年12月22日 県立鹿児島盲学校 URL http://www.edu.pref.kagoshima.jp/ss/kagoshima-b/ E-mail kamou@pref.kagoshima.lg.jp 『温故知新』 〜創立120周年記念文化祭を終えて〜       教頭 染川 功次    本校は明治36年2月2日,私立鹿児島慈恵盲あ学校として開校し,今年で創立120年を迎える。 全盲であった初代校長南雲總次郎氏は,山形県出身であったが,本県の視覚障害教育発展のため,大変な苦労をされながら学校設立を成し遂げている(その概要は本校HP「創設の経緯」に示されているので御一読いただけるとありがたい)。    これまでの本校の長い歴史を振り返り,新しい時代を切り拓くべく,児童生徒のみなさんが考えた創立120周年記念文化祭のテーマは「未来へ繋ぐ 花咲く 鹿盲の文化祭 〜描こう!120年目の1ページ〜」。 コロナ禍で,様々な制限により大変な面も多かったが,そんな中でも,児童生徒が大いに躍動する姿を見ることができた。 小学部による発表は,子供たちが現在から過去へタイムスリップし,南雲先生と対話をしながら,学習の成果を発表するというユニークな展開。 会場全体がほっこりとした空気に包まれた。中学部,高等部は,120年という本校の歴史を紐解きながら,過去の出来事を今に伝えるシーンや当時の学校の様子を想起させるようなストーリー展開の中で,日頃の学習の成果をしっかりと表現した。 人との接触が困難な状況で,思うように実習等を組むことができなかった理療科生徒たちも,この日ばかりは来校された保護者を対象にあん摩や鍼の施術を行い,大変好評を得ていた。誰かに感謝される経験を積み重ねることが,人として大きく成長する原動力となるものと期待したい。  時代は変わっても,変わらないものがある。いつの時代も,本校の児童生徒は今を大切に全力で生きている。 それは,本校ができた当初も現在もおそらく変わることはない。 120年目という節目の年に当たり,児童生徒と先達の生き方に学び,共に歴史を感じることができる喜びをかみしめたいと思う。また,これから新しい時代を切り拓いてゆく児童生徒の姿に,これからも心からのエールを送りたい。 小学部宿泊学習 9月28日(火)〜29日(木)  小学部6年生が,高速船トッピー&ロケットを利用して,種子島に修学旅行に行きました。 種子島開発総合センター(鉄砲館)や種子島宇宙センターに行き,種子島の歴史を学んだり,ロケットの組立から,点検・整備,打ち上げまでを実施する大型ロケット発射場を案内するバスツアーを楽しんだりしました。 赤米館で食べたアイスクリームや千座の岩屋の絶景も大切な思い出です。 種子島の人たちのあたたかい心や,大自然のすばらしさを感じた2日間でもありました。 中学部集団宿泊学習 10月25日(火)〜27日(木)  中学部では,県立南薩少年自然の家で集団宿泊学習があり,1日目は,「室内スポーツ」で,鈴を入れた風船でバレーやストラックアウト,ペタンクをしました。 夜間は「天体観察」の活動がありました。2日目の「カヌー」では,川の流れに逆らいながら一生懸命漕ぎ,掛け声に合わせて漕ぐことや協力することの大切さを学びました。 また,藍染めでは,絞りのデザインを工夫し,色の変化を楽しみました。 3日目の「野外炊飯」では,火を起こして,米を炊いたり,カレーを作りました。 3日間全て有意義な活動でした。 高等部文化祭 10月20日(土)  令和4年度創立120周年記念文化祭が行われました。  今年の文化祭のスローガンは,「未来へ繋ぐ 花咲く 鹿盲の文化祭 〜描こう!120年目の1ページ〜」。このスローガンの下,生徒一人一人が力を合わせて日ごろの学習の様子を発表したり,劇やダンスをして盲学校の歩みを表現することができました。 規模は縮小した形となりましたが,感染予防に努めながら120周年記念文化祭を実施できたこと,また,生徒たちの日ごろの学習の取り組みや発表を見ていただき,思い出に残る文化祭になりました。 高等部(専攻科)卒業生との座談会 10月20日(木)  この会は,2名の先輩方をお招きして,在学中の取組・進路決定・仕事などの経験談を聞き,生徒自身が課題と向き合い, 進路について考える大切な機会です。 コミュニケーションの一つとして上手に聞き役になること,一生懸命になりすぎると失敗も起こりやすいため余裕や余力も大切であること,技術向上や視野を広げるために鍼灸マッサ−ジ師会に所属していること,焦らずに自分に合った働き方を考えることなど,治療院・病院,それぞれの立場から丁寧に話して下さいました。  これを機に,生徒の職業意識をさらに高め,今後の活動に繋げることができるよう支援していきたいと考えています。