学校だより第49号「南雲」 令和5年7月20日発行 鹿児島県立 鹿児島盲学校 「盲学校の使命」 校長 大山直美  本校に赴任して3ヶ月が経ちました。盲学校での勤務は初めてのため,本校で行われる白杖を使っての歩行,点字の読み方や打ち方,見え方を補助する様々な機器の使い方などの研修に参加するとともに,校舎内の配慮や先生方の児童生徒への指導の様子を参観し,視覚障害教育の奥深さを感じています。また,本校が開校121年目を迎えることを考えると,視覚障害教育の歴史と伝統,重みに加え,その専門性の継承,維持,向上を図っていくことの大切さも感じます。  視覚障害を対象とした特別支援学校は県に1校であることが多いため他県とのつながりが強く,特に九州地区の盲学校とは児童生徒も参加する大会や教職員の研修会などで知り合いになります。このつながりを大切にしながら九州地区の盲学校と互いに高め合うことに加え,初代校長がともに南雲総次郎先生である北海道の旭川盲学校とも交流の場を設けたいと考えています。  今後も県内の視覚障害教育の中核として,その専門性の維持,向上を図るとともに,本校児童生徒への指導の充実はもちろん,各地域の見え方に困難のある児童生徒のサポートに加え,幼児から成人の方々の見え方に関する相談機関としての役割を果たしていきたいと考えています。 【小学部】 令和5年4月28日(金) 小学部・中学部・高等部普通科の3学部で,一日遠足に行ってきました。 鹿児島県立博物館では,児童生徒一人一人が,はく製や化石に触れたり,音声を聞いたりして,日頃できない体験をすることができました。また,プラネタリウムでは,星の詳しい話を聞くことができ,多くの発見がありました。 昼食時には,おやつの交換を行い,学部間の交流をすることができました。天候にも恵まれ,児童生徒の心に残る一日となりました。 【中学部】 令和5月23日(火)〜5月25日(木)  中学部では,3年に一度,全学年で修学旅行を企画しています。行き先は福岡方面でした。1日目の九州国立博物館では,見学と弥生時代の歴史体験を行い,普段体験できない活動ができました。太宰府天満宮の散策では,124年ぶりの本殿大改修のためにつくられた仮殿を見学し,2日目のキッザニアでは,興味のあるキャビンアテンダント,カーデザイナー,科学捜査官,テレビ局のカメラマン,ミルクフードマーケターなどの体験をし,事前に職業について学習をしていたので,当日は自主的に行動できました。 3日目の福岡市立科学館では,ドームシアターを見たり,無重力訓練体験や飛行機シミュレーターなどの体験をしたりしました。 天気にも恵まれ,生徒, 職員とも体調等崩すことなく,福岡県でしかできない貴重な体験ができました。 【高等部】 令和5年5月19日(金)  5月・6月の読書月間に合わせて,本校に新しく来られた先生方による「読み聞かせ会」が行われました。今年度は4年ぶりに,対面での「読み聞かせ会」となり,13名の先生方が3回に分かれ読み聞かせをしてくださいました。会場となったプレイルームには,たくさんの笑顔や笑い声があふれていました。図書委員の皆さんも司会やお知らせなど,それぞれの担当を一生懸命に頑張りました。  次回の秋の読書月間に行われる「読み聞かせ会」は,図書委員会の児童生徒による読み聞かせを予定しています。 【専攻科】 令和5年6月12日(月)  今回の実習は,専攻科3年生の6名が,本校職員を対象に,あん摩マッサージ指圧施術をしました。  一人当たり30分という時間の中で,主訴(特に体のつらいところ)に合わせた,それぞれのスタイルの施術を工夫して行いました。施術を受けた職員からは「リラックスできた」,「体が軽くなった」という声が聞こえてきました。連続して5人の施術を終えた生徒たちは,少しくたびれた表情をしながらも,「まだまだできますよ」と,余裕を見せてくれました。  本実習は,2学期にも実施する予定です。