学校だより第50号「南雲」 令和5年12月 22日発行 鹿児島県立 鹿児島盲学校 「あなたのがんばりを勇気にかえて」 教頭 染川 功次  全国障害者スポーツ大会のメイン会場,白波スタジアムでの開会式で本校生徒のアナウンスの声が響く。大歓声の中,鹿児島県選手団の堂々の入場行進。なんとすばらしい瞬間だろう。さらに,陸上競技において鹿児島盲学校生徒・職員の全力の競技に胸が震える。本県で初めて開催された全国障害者スポーツ大会は感動の連続であった。この歴史的瞬間に,全校児童生徒・教職員と同じ時間を共有できたことは本当に貴重な経験であった。  全国大会の雰囲気を肌で感じた小学部の児童が,「いつの日か自分もあのフィールドに立って,金メダルを取ってみたい」と夢を語る。大会の取材をしていたメディア関係者との会話の中で,「この大会に関わって勇気をもらった」という感想を聞いた。選手役員をはじめ、そこに携わる人たちの日々の努力がこうして誰かの心を動かす。桜島の地下深くに眠る大地のエネルギーの如く,熱いものがこみ上げてくるそんな思いである。  11月,初めて専攻科の生徒による県庁でのあん摩実習が行われた。県庁18階で雄大な桜島を眼前に知事や教育長をはじめ,県職員のみなさんに施術を行い,実践を通して一人一人の生徒が腕を磨いた。施術を受けた誰もが笑顔で,「ありがとう,とても気持ちよかったよ」と感謝の言葉を口にしながら会場を後にする。「働き盛りの人たちは肩や背中がカチカチで普段より大変だった」と話す生徒の横顔はどこか誇らしげである。  日々の教育活動を通して,誰かに感謝されること,心を突き動かされること,そんな一つ一つの小さな積み重ねが人を成長させることと私は信じている。「ここで学んでよかった」,振り返ったとき,誰もがそんな風に鹿児島盲学校での経験を誇りに思えるよう,児童生徒,保護者,先生方と大切に時間を重ねていきたいと思う。 【小学部】 令和5年10月27日(金)  小学部全員で「いおワールドかごしま水族館」に出かけました。単眼鏡でバスの番号を確認したり,自分で切符を買ったりと,いろいろな経験をしました。水族館では,水槽を見て回るだけでなく,タッチプールでヒトデやナマコに触れて触感の違いを確かめたり,生き物講座で本物のイルカやカメの赤ちゃんに触れたりしました。初めて触る生き物に驚きと発見があり,子ども達は少々興奮気味に歓声を上げていました。 【中学部】 令和5年11月15日(水)  職場体験では,施設の職員の方や利用者の方と壁画作成に取り組んだり,自由遊びやラジオ体操などをしたりと学校外の人との関わり合いを経験し,充実した職場体験になりました。  職場見学では,中学部の1・2年生が,本校の卒業生がヘルスキーパーとコンタクトセンター業務をされているTMJという会社を訪問しました。それぞれの卒業生に仕事をしている様子を見せていただいたり,質問に答えていただいたりしました。今後の進路学習におおいに役立ててほしいですね。 【高等部】 令和5年10月14日(土)  天気が心配されましたが,第66回大運動会を開催できました。  開会式では,入場行進が行われ,前回大会優勝の白組から力強く入場しました。「綱引き」では,白熱した戦いを繰り広げ,応援する側にも力が入りました。紅白対抗での綱引きの後は,保護者対児童生徒対決を実施しました。児童生徒一丸になりましたが,保護者相手に勝つことはできなかったです。「紅白リレー」では,各学部から選ばれた選手が,練習の成果を発揮し,バトンを繋ぎながら走り,最後まで素晴らしい勝負をしてくれました。 【専攻科】 令和5年10月19日(木)  卒業生との座談会が実施されました。今回,ヘルスキーパーとして勤務されている2人の先輩方にお越しいただき,話を聞くことができました。  生徒からは,利用者の症状,施術の時間や内容などのほか,進路決定までの流れについても質問が出され,先輩方が丁寧に分かりやすく答えていただきました。  座談会をきっかけにして,生徒が情報収集や技術向上に努め,進路選択の取組を進めてくれるものと期待しています。