学校便り第52号「南雲」 令和6年 7月12日発行 鹿児島県立鹿児島盲学校 【日頃からの備えを】 校長 大山直美  今年は,年明けから元旦の能登半島地震,二日の羽田空港の大事故があり,被害の大きさに胸が痛くなりました。  能登半島地震では自然の怖さを改めて感じましたが,三陸沖地震の津波の被害を教訓に日頃から訓練を行っていた地域が,その訓練を生かして一人の犠牲者も出さなかったそうです。  また,羽田空港の大事故では,日本航空の機長や客室乗務員の方々の的確な対応と乗務員の指示にしっかりと従った乗客の方々の行動が,大事故にもかかわらず一人の犠牲者も出さないことにつながりました。これらの事例からも日頃の訓練の大切さを改めて感じました。  鹿児島盲学校は,今年,鹿児島市と視覚障害者とその家族を対象とする災害時における福祉こども避難所の設置について協力協定を結びました。福祉こども避難所は大規模災害の際の二次避難所として設置されますが,県内唯一の視覚障害者を対象とする特別支援学校として,そのノウハウを生かすことができるよう体制を整えていきたいと思います。また,全国特別支援学校校長研修会で聞いた三陸沖地震と中越地震を経験した学校の危機管理・防災教育についての取組も参考にしたいと考えています。  鹿児島盲学校として災害時や緊急時に備えて日頃の備えや訓練を行っていくとともに,児童生徒及び職員と日々の生活に感謝しながら一日一日を大切にしていきたいと思います。 【小学部】 すくすく大きく成長してね(合同授業)  7人の子ども達は,1学期,指宿グリーンファームへの遠足やプールでの活動など全員揃って元気に学校生活を送っています。5月には,ひまわり学級(幼児学級)の友達も一緒に,夏野菜の苗植えとさつま芋の苗植えを行いました。事前に野菜の苗や実物を触察し,香りを嗅いで名前を当てたり,絵本の読み聞かせを楽しんだりして,友達と協力しながら苗植えができました。7月現在すくすく育つ野菜の収穫を楽しみながら交流を深めています。 【中学部】 職場見学・職場体験 5月  中学部では,職場見学(1・2年),職場体験(3年生)を行いました。1年生は,本校理療科の見学を行い,あんまマッサージ指圧師,はり師,きゅう師の職業について,2年生はマクドナルド中山店と南部保健センターを見学し,それぞれの職業の仕事内容について学びました。3年生は,Aコープ谷山店とファッションセンターしまむら谷山店でそれぞれ3日間の職場体験を実施しました。見学や体験を通して,職業の種類や働く人の姿,働くことの大変さなどを知り,貴重な体験となりました。 【高等部】 産業現場等における実習(校内実習)6月  高等部普通科1年では,産業現場等における実習を2週間行いました。年2回のうち,前期は校内での実習になります。1コマ90分という,普段とは違う時間設定でペットボトルの仕分けや小物作り等の作業,体力作りや調理,書道等の余暇活動を行いました。また,最終日には,職場等見学ということで,谷山の「La Plus(ラプラス)」へ見学に行きました。実際の施設を見ることで,将来に向けてのイメージを膨らませることのできる,貴重な体験となりました。後期は,校外での実習を頑張ります。 【専攻科】 あん摩校内実習 6月  6月14日(金),理療科の2年生・3年生があん摩校内実習に取り組みました。 校内での評判も良く,予約開始からわずか半日で全ての枠が埋まってしまいました。 「お辛いところはありますか?」 「ひざが痛みます。子どもたちと一緒に走り回るので。」 生徒たちは,一人一人の身体の状態をよく捉え,心を込めて施術を行いました。 「気持ちがよかった,ありがとう。」 「こんなに肩が上がるようになったよ。すごい。」  たくさんの喜ばしい感想をもらった生徒たちは,日頃の学習や基礎実習で培った技術が,人の役に立つことを実感したようです。