Q4 釣り合っている2力
 生徒に釣り合っている2力を指摘させると,作用・反作用の関係にある力を指摘してしまいます。どのように指導すればよいでしょうか。
 A

 力も,身近であるがゆえに多くの生徒が間違った認識をしています。力をエネルギーと混同してしまっているのがその典型です。
 力の学習では,感覚的に力をとらえさせるのではなく,論理的に考えさせることが大切です。そのために,物体に働いている力は必ず矢印で書くように習慣付けることが必要です。2力の釣り合いについて指導するときは,物体に働いている力をすべて書かせた上で,力を文で表現させ,作用・反作用との違いを理解させましょう。
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 aとcが釣り合いの関係,bとcが作用・反作用の関係になります。「箱が動かないのは,箱に働いている二つの力が釣り合っているからですね。a〜cの中で,箱に働いている力はどれかな。」と問うとaとcを指摘できるでしょう。
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 物体を糸やばねなどで天井からぶら下げた図を示して,2力の釣り合いを考えさせると,図に書き込むべき力の矢印の数が増えるので,発展問題として取り組ませるとよいでしょう。


 Q5 物体が触れ合う面積と物体の変形の仕方

 スポンジと水の入ったペットボトルを使って,二つの物体が触れ合う面積と物体の変形の仕方を調べる実験で,圧力が面積に反比例するようなデータが得られません。どうすればよいでしょうか。
 A

 スポンジの中の空洞が小さく均等で,やや硬めのメラミンフォームスポンジを使うとよい
結果が得られます。
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 Q6 大気圧を調べる実験

 大気圧を調べる実験で,教科書に示されているような簡易真空容器がありません。他の実験方法はありませんか。
 A

 次のような実験を行ってみたらどうでしょう。
(1) アルミ製スクリューキャップボトル缶を使った実験
 空き缶に少量の水を入れてガスバーナーで加熱し,水蒸気が缶の空気を追い出した後,空き缶の口をガムテープ等でふさぎ,缶を冷やすことによって,空き缶がつぶれる様子を観察する方法が一般的である。しかし,加熱直後の空き缶の口をふさぐのは空き缶が高温のため,やけどをする心配があり,また,ガムテープだけではうまく密閉できないこともある。
 この方法は,キャップを閉めるだけで缶が密封され,生徒にも安全で簡単に実験ができるところが利点である。
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ア 準備
 アルミ製スクリューキャップボトル缶,ガスバーナー,セラミック付き金網,三脚,マッチ,ビーカー,水
イ 実験方法
 @ アルミ製スクリューキャップボトル缶に水を少量入れて加熱する。
 A 缶の口から,湯気が出るようになったらガスバーナーを止め,缶の口をキャップでしっかりと密封する。
 B 自然に冷却させると,すぐに,大気圧によってアルミ缶がへこんでくる。
(2) 簡易真空ポンプを使った実験
ア 簡易真空ポンプの作製
 缶を加熱して密封することによって,なぜ缶の中を真空に近い状態にすることができるのかが,理解できない場合が多い。そこで,ディスポーザブル注射器を改良した簡易真空ポンプを使い,缶の中の空気を抜けるようにする。
市販の50mLディスポーザブル注射器の注入口(図中のア)の部分に内側からビニルテープを張り,ピストンを押したときに逆流しないようにする。
 次に,注入口の横(図中のイ)に小さな穴を開け,外側からビニルテープを張り,ピストンを引いたときに空気が入ってこないようにする。
 注入口にポリプロピレン製の管を付ければ,簡易真空ポンプとして使用できる。
イ 実験方法
 ペットボトルに簡易真空ポプを取り付け,空気を抜くと,ペットボトルがつぶれる様子を観察できる。
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