教科の目標 |
心と体を一体としてとらえ,健康・安全についての理解と運動の合理的,計画的な実践を通して,生涯
にわたって豊かなスポーツライフを継続する資質や能力を育てるとともに健康の保持増進のための実践
力の育成と体力の向上を図り,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を育てる。
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目 標 |
個人及び社会生活における健康・安全について理解を深めるようにし,生涯を通じて自らの健康を適
切に管理し,改善していく資質や能力を育てる。 |
内 容 |
(1) 現代社会と健康
我が国の疾病構造や社会の変化に対応して,健康を保持増進するためには,個人の行動選択やそれを支える社会
環境づくりなどが大切であるというヘルスプロモーションの考え方を生かし,人々が自らの健康を適切に管理すること及
び環境を改善していくことが重要であることを理解できるようにする。
ア 健康の考え方
健康の考え方は,国民の健康水準の向上や疾病構造の変化に伴って変わってきていること。また,健康は,様々な
要因の影響を受けながら,主体と環境の相互作用の下に成り立っていること。
健康の保持増進には,健康に関する個人の適切な意志決定や行動選択及び環境づくりがかかわること。
イ 健康の保持増進と疾病の予防
健康の保持増進と生活習慣病の予防には,食事,運動,休養及び睡眠の調和のとれた生活を実践する必要がある
こと。
喫煙,飲酒は,生活習慣病の要因になること。また,薬物乱用は,心身の健康や社会に深刻な影響を与えることか
ら行ってはならないこと。それらの対策には,個人や社会環境への対策が必要であること。
感染症の発生や流行には,時代や地域によって違いがみられること。その予防には,個人的及び社会的な対策を
行う必要があること。
ウ 精神の健康
人間の欲求と適応機制には,様々な種類があること。精神と身体には,密接な関連があること。また,精神の健康
を保持増進するためには,欲求やストレスに適切に対処するとともに,自己実現を図るよう努力していくことが重要で
あること。
エ 交通安全
交通事故を防止するためには、車両の特性の理解,安全な運転や歩行など適切な行動,自他の生命を尊重する態
度,交通環境の整備などがかかわること。また,交通事故には責任や補償問題が生じること。
オ 応急手当
適切な応急手当は,傷害や疾病の悪化を軽減できること。応急手当には,正しい手順や方法があること。また,心肺
蘇生等の応急手当は,傷害や疾病によって身体が時間の経過とともに損なわれていく場合があることから,速やかに
行う必要があること。
(2) 生涯を通じる健康
生涯の各段階において健康についての課題があり,自らこれに適切に対応する必要があること及び我が国の保健・医
療制度や機関を適切に活用することが重要であることについて理解できるようにする。
ア 生涯の各段階における健康
生涯にわたって健康を保持増進するためには,生涯の各段階の健康課題に応じた自己の健康管理及び環境づくりが
かかわっていること。
イ 保健・医療制度及び地域の保健・医療機関
生涯を通じて健康を保持増進するためには,我が国の保健・医療制度や地域の保健所,保健センタ−,医療機関など
を適切に活用することが重要であること。
また,医薬品は,有効性や安全性が審査されており,販売には制限があること。疾病からの回復や悪化の防止には,
医薬品を正しく使用することが有効であること。
ウ 様々な保健活動や対策
我が国や世界では,健康課題に対応して様々な保健活動や対策などが行われていること。
(3) 社会生活と健康
社会生活における健康の保持増進には,環境や食品,労働などが深くかかわっていることから,環境と健康,環境と
食品の保健,労働と健康にかかわる活動や対策が重要であることについて理解できるようにする。
ア 環境と健康
人間の生活や産業活動は,自然環境を汚染し健康に影響を及ぼすこともあること。それらを防ぐには,汚染の防止及
び改善の対策をとる必要があること。
イ 環境と食品の保健
環境衛生活動は,学校や地域の環境を健康に適したものとするよう基準が設定され,それに基づき行われていること。
また,食品衛生活動は,食品の安全性を確保するよう基準が設定され,それに基づき行われていること。
ウ 労働と健康
労働災害の防止には,作業形態や作業環境の変化に起因する傷害や職業病などを踏まえた適切な健康管理及び安
全管理をする必要があること。
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内容の取扱い
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(1) 内容の(1)のイ及び(3)のイについては,食育の観点を踏まえつつ,健康的な生活習慣の形成に結び付くよう配慮するも
のとする。
(2) 内容の(1)のイの喫煙と飲酒,薬物乱用については,疾病との関連,社会への影響などについて総合的に取り扱い,薬
物については,麻薬,覚せい剤,大麻等を扱うものとする。
(3) 内容の(1)のウについては,大脳の機能,神経系及び内分泌系の機能について必要に応じ関連付けて扱う程度とする。
また,「体育」における体ほぐしの運動との関連を図るよう配慮するものとする。
(4) 内容(1)のエについては,二輪車及び自動車を中心に取り上げるものとする。また,自然災害などによる傷害の防止に
つ いても,必要に応じ関連付けて扱うよう配慮するものとする。
(5) 内容の(1)のオについては,実習を行うものとし,呼吸器系及び循環器系の機能については,必要に応じ関連付けて扱
う程度とする。また,効果的な指導を行うため,「体育」における「D水泳」などとの関連を図るよう配慮するものとする。
(6) 内容の(2)のアについては,思春期と健康,結婚生活と健康及び加齢と健康を取り扱うものとする。また,生殖に関する
機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする。責任感を涵養することや異性を尊重する態度が必要であるこ
と,及び性に関する情報等への適切な対処についても扱うよう配慮するものとする。
(7) 内容の(3)のアについては,廃棄物の処理と健康についても触れるものとする。
(8) 指導に際しては,知識を活用する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫を行うものとする。
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