校長語り№17【大分駅での心温まる出来事(二学期始業式)】

公開日 2023年09月01日

 いよいよ今日から2学期がスタートします。生徒の皆さんがいての学校。一緒にグランド整備をしながらつくづく感じました。ところで夏休みはどうでしたか。74名それぞれの思い出が出来たことでしょう。私にとっては,8月23日,JR大分駅で起こった心温まる出来事が夏の一番の思い出です。二学期の始業式にあたり,このことを話します。私はスマートフォンを持っていません。13時頃JR大分駅に着き,上野の森出口を出て会場に向かおうとしたら場所がわかりません。どうしよう。受付の時間は迫っているし。そのとき一人のスポーツバッグを抱えた高校生ぐらいの少年が近くにいました。「すみません。この会場がどこか教えてもらえますか。」と尋ねました。「わかりません」という返事でした。無理もありません。急に声をかけられたのですから。とぼとぼと上を見上げて看板をみながら歩いていると後ろから「わかりました。ここです。」とスマートフォンを見ながら駆けてくる少年がいました。とてもうれしくて「本当にありがとう。助かります。わざわざありがとう。」とお礼を述べて,その場を立ち去りました。その後ずっと,もっときちんとお礼を言いたかったな。この感動を誰かに伝えたいなと思っていました。こんなとき,どうすればいいのか。まずは大分県の校長先生にこのことを話しました。すると,「個人を特定するのは難しいです。だって,大分県は全県区なので,県内どこからでも受験できるのです。大分駅で,この会場を知らないのであれば,きっと近くの高校に通う生徒ではないですよ。」でもどうにかして,この感動を大分の人に伝えたい。そこで,私は大分新聞にこの出来事を投稿しました。この少年が皆さんと重なります。二学期は体育祭を皮切りに文化祭,学科の行事,就職進学試験,そして県内全域から先生方が集う教育研究会も開催されます。各行事に全員が協力して臨むとともに,思いやり溢れる行動がとれる山高生であってほしいと願っています。