Q26 化学変化による温度変化
 いろいろな化学変化による温度変化を調べる実験で,フィルムケースに鉄粉,活性炭,食塩水を混合し,発熱反応を確認する方法が一般的ですが,酸化反応であることをなかなか実感させられません。何か良い方法はありませんか。
 A

 フィルムケースを使った実験では,鉄の酸化が実感できませんし,容器が小さいため容器を倒してしまうという失敗も起こりがちです。
 そこで,ペットボトルと携帯用カイロを使った実験を紹介します。
(1) 準備
   携帯用カイロ,ペットボトル(500mL),
酸素ボンベ,温度計
(2) 実験方法
 @ 携帯用カイロの袋を破り,内容物をペットボトルに入れてよく振る。
 A ペットボトル内の温度が上昇することを確認する。
 B 反応が終わり,温度が上昇しなくなることを確認する。
 C ペットボトル内に酸素を注入した後,よく振る。
 D ペットボトルの様子を観察する。温度上昇を測定する。
画像
※ しばらくすると,酸素が消費されたために,ペットボトルが勢いよくつぶれ,酸化反応であることが分かる。
※ 反応の前後で質量を測定すると,閉鎖系での質量保存の法則が確認できる。




 Q27 備長炭電池

 備長炭とアルミニウムはく,食塩水を使った備長炭電池で,豆電球を点灯させることができません。どうすれば豆電球を点灯させることができますか。
 A

 アルミニウムはくを使った備長炭電池で,豆電球を点灯させるのはなかなか難しいようです。消費電力の少ない豆電球を使うと,かすかに点灯する場合がありますが,明るく点灯させることはできません。
 アルミニウムはくの代わりに,90p以上のマグネシウムリボンを使うと,豆電球を点灯させることができます。
【詳しい説明へ】
【備長炭電池に関する教材研究データ】




 Q28

 燃料電池の説明のために,簡易電気分解装置で水を電気分解した後,電極に電子オルゴールをつないでも,音が出なかったり,音が小さくすぐに聞こえなくなったりします。どうすればよいですか。
 A

 簡易電気分解装置の電極にステンレスを使っている場合,このようなことが起こります。簡易電気分解装置を燃料電池として使うためには,電極の表面にパラジウムメッキを施す必要があります。しかし,パラジウムは高価であること,水に溶けにくいのでメッキ液を作る際にマグネチックスターラを使わなければならないことなどから,中学校で扱うのには無理があります。
 正確には燃料電池と言えないかもしれませんが,電極に炭素棒を使うと電子オルゴールが大きな音で長時間鳴り続けます。電極に炭素棒を使えば,H形ガラス管でも実験可能です。