平成29年10月28日(土)，本校体育館にて創立記念講演会を行いました。今年度も土曜授業として，土曜日に実施しました。創立記念行事の一環として，本校卒業生を招聘し，生徒の学習や進路に対する意欲を高め，社会を見る眼や職業観を育成するとともに，進路実現への意識付けを図る目的で行っています。
　今回お招きしたのは，伊集院高校29期 昭和52年3月卒業 出光大分地熱株式会社 滝上事業所長でいらっしゃる，田丸和博氏 です。演題は「『日本のエネルギー供給を担い』～石炭と地熱～」です。
　まず,石炭とはどのような資源か，ということに始まり，日本や世界でのエネルギー供給において石炭が占める割合や，日本の一次エネルギー供給の推移，今後の世界の一次エネルギー需要の予想，勤務されたオーストラリアの炭鉱の様子などについて話をしていただきました。
　次に，再生可能エネルギーの中の地熱発電について詳しく説明していただきました。日本の地熱開発の現状や，電源別発電電力量の推移について説明され，大分の滝上地熱発電所についてはDVDや写真を用いて，地熱発電のしくみや特徴，滝上地熱発電所の説明などについて詳しく説明していただきました。
　最後に，長渕剛の「きばいやんせ」の歌詞を示しながら，次のように語られました。「旅行でも仕事でも勉強でもいいが，世界に出ていろいろなものを観て欲しい。現地に行って本物を観て文化を学び，自分の見識を広めてもらいたい。本物を観ると変わる。」「どんどん失敗しなさい。失敗があれば，竹のように節が多くなって，それだけ強くなる。どんどん挑戦しどんどん失敗し，それを糧として次の取り組みで頑張ってもらいたい。」
　質疑応答では「日本の地熱発電は，アイスランドの30％のように，今後供給量をまかなえるか？」「火山の熱を利用して地熱発電は可能か？」などの質問にも，丁寧にお答えいただき，生徒もよく理解できたようです。
　世界で活躍され，日本の地熱発電に貢献されてきた先生から，母校の後輩への激励と思いやりをいただいた講演会でした。