自作教材・教具1 「iPodをVOCAにする」

公開日 2016年09月06日

教具名 iPodをVOCAにする

○ この教材を紹介するねらい

 重度の自閉症や肢体障害など,種々の困難から,言語を介したコミュニケーションが難しい児童生徒が多くいる。彼らは,コミュニケーションの一助としてVOCAを用いることが多い。

しかし,多くのVOCAは高額である。特に,高度なコミュニケーションをすることができるVOCAは,なかなか手の出ない金額である。

そこで,安価で,さらに余暇活動にもいかすことのできるVOCAとして,iPod touchVOCAとして活用する例を紹介する。iPod touchには,次の利点がある。

 (1) タッチパネルによる直感的な操作が,PDA同様に可能。

 (2) 全部込みで,25,000円以内で揃えることができる。

 (3) PDAよりも,余暇活動に活用しやすい。

   情緒障害のある児童生徒にも非常に効果的であると思う。

○ 教具 / 概略図(写真)

 1 教具:iPod touch8G:定価¥19,800),ソフトウェア:Voice4u JP¥3,500 ),マイク
  (
¥1,400

 2 使い方

 (1) iPodに写真を取り込む(図1

 (2) iPodにマイクで音声を吹き込む(図2

 (3) iPodに語句を入れる。(図3)

  これで新たなシンボルを加えることができる(図4)。絵カード代わりに持ち歩くことが可能。

   100枚以上の絵カードを操ることができる子どもでも,かさばらないと思います(図5)。

 

  図1     図2      図3     図4      図5     図6

3 どのような児童生徒に使用できるか

(1) 肢体不自由児の場合:指先の操作でほとんどのことが可能なため,体の動きを必要とし
 ません。別のアプリケーションを入れることで,簡単な日記も,手書きで書くことができ
 ます。したがって,話しことばのある子でも,学習活動に取り入れて,授業のノートを指
 でとる,計算用紙代わりにする,そういった使い方も考えられます(図
6)。

 

(2) 知的障害,情緒障害児の場合:御存知のとおり,iPodはもともとDAP(デジタルオー
 ディオプレイヤー)であるため,音楽も聞けます。ビデオも見ることができます。パニッ
 クに陥ったり,情緒が不安定になったとき,好きな音楽やビデオを見開きすることで落ち
 着くことができるという使い方もあると思います。スケジューリングソフトを入れて,ス
 ケジュール管理もできます。

    製作及び使用後の感想

 実際に児童生徒に触らせてみたわけではないですが,こういった直感的な操作が可能なガジェッ ト(便利な小道具)は,特別支援教育に非常に有効に使うことができると思います。このソフトは カテゴリー分けがユーザーでできないことが少し不便ですが,もしかしたら後々改善されるかもし れません。