自作教材・教具2 「パソコン de 課題」

公開日 2016年09月06日

教具名: パソコンde課題              

○ 製作のねらい

1 重度重複障害の児童生徒は,身体発達段階と知的発達段階がアンバランスな面が
 あり,障害からくる不随意の運動などから,一般的な認知課題をこなすことが難
 しい。

 そこで,「どんな発達段階の子」でも「どんな肢体不自由」でも,見本合わせ学習などをはじめとする学習をすることのできる教材を作成した。作成において念頭においたことは次の2点である。
 (1) カスタマイズが可能:児童生徒の発達段階や興味・関心に応じた課題を作り
  易いようにする。
 (2) 誰にでも作ることができる:一般的な教具やソフトウェアを使用すること
  で,「誰にでも」作成できるようにすることで,家庭でも取り組むことができる
  ようにする。

○ 教具 / 概略図(写真)

1 教具

(1) パソコン(一般的なA4ノート)。

(2) 棒スイッチ(製作費は¥3,000もあれば十分)。

(3) OpenOfficeImpress(フリーソフト,パワーポイントがある場合はそちらで代用可)。

(4) X wheel NT(マウス入力をカスタマイズできるフリーのソフトウェア)。

(5) マウスアダプタ(写真1)(モノラルプラグから左クリック,右クリックへ入力変換できる
    もの,改造マウスで代用可。改造マウスなら¥2,000程度で作れます)。

2 使用している様子(写真2)。
   (1) 本児は,首で随意的な動きをすることが可能なため,右の棒スイッチと左の
    棒スイッチを首の近くにセッティングし,画面の右を選ぶときは右のスイッチ
    を,左を選ぶときは左のスイッチを押すようにしてある。(写真3)

    
  写真1           写真2            写真3 

3 今回OpenOfficeImpressで作成した教材

(1) 写真4は見本合わせ課題の前の段階として,自分の好きな動画を者択一で選
 ぶことのできる課題を作成した。

(2) 写真5は,スイッチを利用して作成した見本合わせ課題。色カードをパソコン
 画面の上部に提示して,同じ色を選んで,その方向のスイッチを押してもらう。
 写真6は,正解の際の画面。好きな動画を
5秒程度流すことで強化子とする。

   

        写真4              写真5             写真6
○ 製作及び使用後の感想

教師主導ではなく,児童生徒が主体となり,課題を解くことができた。興味のある課題を取り入れることができるため,非常に楽しく学習に取り組むことができた。見本合わせでは,高い正解率を記録し,介入期の現在も期待できる正答率が出てきている。パソコンを利用した学習は,児童生徒の興味関心も高く,楽しみながら取り組むことができると考え,今後も積極的に導入していきたいと思う。