「ゆんぬ」校内最終発表会より『昔話に学ぶ与論の文化』

公開日 2021年12月20日

12月17日(金)の総合的な探究の活動で生徒が発表した内容を記事にしました。

●総合的な探究の時間「ゆんぬ」の校内最終発表会の様子はこちら
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/yoron/docs/2021122100131/

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内容は,1年生の発表から「昔話に学ぶ与論の心」です。

記事の最後に,生徒が作成したマンガ(動画バージョンもあります。)を掲載しています。

生徒「みなさんが知っている浦島太郎とは少し違う与論バージョンの浦島太郎のあらすじを簡単に説明します。」

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生徒「ある日,浦島太郎は魚釣りに行き,美しいクサビという魚を釣り上げました。」

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生徒「そして,クサビを家に持ち帰り,大事に育てました。」

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生徒「大切に育てられたクサビは,恩返しとして美しい娘となって…」

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生徒「浦島太郎を竜宮城へと連れて行きました。」

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生徒「そして,3年3か月の幸せな時を過ごして,陸に戻った頃には,300年の月日が過ぎて,浦島太郎を知る者は誰一人としていなかったという話です。」

 

〈疑問〉なぜ,亀ではなく魚だったのか?

〈仮説〉昔,亀は害獣として扱われていたから。

生徒「この仮説を立てた理由は,現在でも亀による漁業への被害があるので,昔もそうだったのではないか?と思ったからです。」

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〈調査結果〉仮説は間違い

生徒「昔は現在と違い,亀は食用にできたため,害獣として扱われていませんでした。当時,ウミガメを食べた痕跡も見つかっています。」

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▲昔の人がウミガメを食べた痕跡が化石として残っています。

 

〈再確認〉なぜ,亀ではなく魚だったのか?

〈改めて読み直して気づいたこと〉なぜ,わざわざクサビにしたのか?

クサビとは?一般的に「ベラ」と呼ばれ,与論でも数多く生息する魚。

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生徒「そこで,クサビとウミガメを比較し,クサビは『安価でありふれた魚』,ウミガメは『高価で希少』だと考えました。」

〈結論〉亀でなく魚にした理由は,命の平等さを教訓として伝えるためではないか

 

生徒「たとえ数多く存在する価値の低い魚であっても,かけがえのない命を大切にするべきだと願った昔の与論の人たちが話の一部を変更して,後世に伝えていったのだと思いました。」

生徒「その心について知ってもらうために,マンガをCM風に作成しました。」

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〈与論の価値観を学んで〉与論の心を未来まで伝えたい!

「助けたのは亀ではなく魚?!」与論に伝わるちょっと変わった浦島太郎の昔話[MOV:3MB]

〈謝辞〉与論町役場生涯学習課/琴平神社

〈参考文献〉『与論のしまがたり』菊 千代(はる書房 1985年)/『奄美のむかし話』本田 碩孝(奄美文化財団 2007年)/『与論島の生活と伝承』山田 実(おうふう 1984年)