3学期終業式 校長講話

公開日 2019年03月28日

3月25日(月)に行われた校長講話の内容は以下の通りでした。

 平成もあと36日で終わる。4月1日には新しい元号が発表される。この平成という時代,30年間,文明は大いに進歩し,新たなものが次々と生み出された。そんな中,僕達が絶対に忘れてはならないことがひとつある。それは,近代を通し,日本が戦争をしなかった唯一の時代だったということだ。外交面での努力,自衛隊や海上保安庁などの諸活動といった国政レベルから,民間や個人の活動に至るまで,様々な人々の努力により平和が保たれた。僕達はこのことにもっと大きな誇りを持ち,そして意義を見出すべきだと思う。ところが,世界の状況を観るとき,日本を戦争に巻き込みかねない火種は,実はたいへん多い。同じ文化を持つ者の間でさえ,価値観の違いを原因とする諍いが多く発生するということはよくわかっていると思うが,それが,文化が異なる国と国レベルになればなおさらその可能性は高まることも実感として理解できると思う。それを避けるためには,とにかく話し合うことによって,互いの打開策を追究していくしかないわけである。それも当事者同士だけではなく,その周囲にいる者全てが,その努力をしていくことが,グローバル時代における平和実現の要である。だから,全寮制という環境の中で,異なる価値観と出会い,それと自分の価値観との間で諍いが起きかけた時に,それを暴力的な手段ではなく,平和的な手段でなんとか解決し,乗り越えていく経験を,必然的に積み重ねてきた君たちの存在は貴重だ。まさに先ほど述べた世界の平和につながっていく経験である。だからもう一度,全寮制で過ごすことの意義を考えてほしい。人は弱い生き物で,一人では大自然の脅威に打ち勝てない。だから団結を学んだ。人は愚かな生き物で,時には大きなミスも犯す。間違わないようにするために,本が生まれ,教育が生まれ,結果的に文化を手に入れた。人は悲しい生き物で,時には自分の小ささ,惨めさに気づき,落ち込むこともある。でも,だからこそ,失敗して落ち込んでいる人に対する優しさ・思いやりを身に付けることができた。全て,自分の弱い部分を克服するために営んできた取り組みの成果だ。人生においては,1+1=2という理論は絶対ではない。10にもなるし,100にもなる。それが人生だ。来年度は,ぜひ,そんな力を生み出す,学校としての力を高めよう。そしてそれが,これからの時代の「リーダー」としての最大の資質を作っていくのだと確信している。

 

なお,講話の全文はPDFで掲載します。※閲覧には保護者専用パスワードが必要です。

平成30年度3学期終業式講話[PDF:77KB]

PDFの閲覧にはAdobe System社の無償のソフトウェア「Adobe Reader」が必要です。下記のAdobe Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Readerダウンロード