小学部

公開日 2025年04月01日

小学部の教育

1 めざす児童像

・  よく見てよくきき,自分から学習できる子ども

・  よく話し,よく考える子ども

・ 決まりを守り,あいさつのできる子ども

・ みんなと仲良くできる思いやりの心をもつ子ども

 

2 小学部の努力点

  (1) 児童が健康で安心・安全に学ぶことができる環境を整える。

    ・ 安心・安全に活動できる学校生活環境の整備

    ・ 保護者への情報提供や教育相談等の実施

    ・ 基本的生活習慣の定着や健やかな体の育成

    ・ 一人一人のよさを大切にし,思いやりや協力し合う意識を高め,豊かな心の育成

  (2) 卒業後の自立と社会参加をめざし,確かな学力,言語力を育成する。

       ・ 地域社会等での体験的な活動を通して,学習の基盤となる言語概念の形成を図る。

       ・ 学びの連続性を達成できる教育課程を編成・実施

    ・ 学習内容に応じて,ICT機器等を活用し,基礎的・基本的な知識・技能とコミュニケーション力の

     確実な習得を図る。 

  (3) 聴覚障害教育の専門性を高め,聴覚障害教育のセンター校としての充実を図る。

       ・ 家庭・地域,関係機関との連携,児童への長期的な教育的支援と個別の教育支援計画の活用

       ・ 保有する聴覚を最大限に発揮し,主体的に表現できるよう個別の指導計画を活用する。 

       ・ 聴覚等に障害のある地域の児童に対して,学習や生活上の効果的な指導法や教育の支援

       ・ 交流及び共同学習を推進し,指導法や配慮等についての具体的な活動を通した啓発

 

3 主な指導内容

  (1) 領域別・教科別の指導

     ア 自立活動では,児童のコミュニケーション能力の向上をめざし,個に応じて指導する。

      ・ 補聴機器の適正装用に努め,聴覚活用を促す。

      ・ 発音指導,コミュニケーション指導,言語指導,障害の認識に関する指導等を行う。

      ・ 自立活動の時間では,上記から課題を精選して指導する。

     イ 標準学級は小学校に準ずる教育(実態に応じて下学年代替)を行い,教科書で授業を行
    う。

      ・ 1・2年生:国語,算数,生活(2年生まで),音楽,図画工作,体育,道徳,特別活動,自立

     活動

      ・ 3年生以上で加わるもの:社会,理科,総合的な学習の時間,外国語活動

      ・ 5年生以上で加わるもの:家庭,外国語

     ウ 重複障害学級は児童に応じて課題を設定し,教科書の他あらゆる教材を使って授業を行
    う。(国語,算数,音楽,図画工作,体育,特別活動,自立活動,外国語活動)

  (2) 各教科等を合わせた指導

    重複障害学級では,領域,教科の指導内容を「日常生活の指導」「生活単元学習」の指導形態で取り扱

 う。

     ア 日常生活の指導:生活の流れに沿って課題を設定して学習する。(一日の流れの確認,着
      替え,あいさつなど)
     イ 生活単元学習:季節や行事等を題材に各教科の要素を抽出して学習する。評価について
      は各教科で行う。 (季節の野菜,運動会,文化祭,遠足,校外学習など)

  (3) 社会性の向上に関する指導

       行事や体験学習,小学校や地域との交流及び共同学習を通して,自ら学ぶ意欲や社会の変化に主体的に対

 応できる力や態度を育てる。

  (4) 基本的な生活習慣に関する指導

    あいさつなどの礼儀作法,身辺処理などの基本的な生活習慣,一般社会で必要なマナー等について指導す

 る。

  (5) 健康・安全についての指導

    健康管理や安全な生活,体力つくり等指導する。

 

4 小学部で大切にしている実践内容

   (1) 聴覚口話法を基盤に,補聴器や人工内耳等の利用で聴覚を活用し,音声・文字・手話・指文
  字等を複合的に活用し,的確な意思の相互伝達が行われるようにする。

  ・ 児童のニーズに応じて,ロジャー等を有効活用し,児童間,児童・教師間のコミュニケーションか

   ら効果的な学習活動を目指す。 → 自立活動の充実

   (2) 学習内容が理解しやすいように,子どもが見通しをもつことができ,興味関心を引き出す教
  材教具の提示に努める。

  ・ ICTを有効に活用するなど,子どもの発達段階に応じた指導に心掛け,スムーズな学習内容の理

   解を促す。 → 基礎学力の定着

   (3) 学級の友達や教師だけでなく,異学年の友達とも思いやりの気持ちをもって接することがで
  きる子どもを育成する。

  ・ 体力作りや昼休みなど,授業以外の活動でも積極的に人と関わっていける子どもを育てると共に,

   社会の決まりやマナーを守る態度や能力の育成を図る。

   → 健全な心身とコミュニケーション力の育成

   (4) 健康・安全に気をつけた生活の大切さに気付き,自らこのことに気をつけて,行動すること
  ができるように支援する。

  ・ 授業時間だけでなく,休み時間を含めた学校生活の中で経験したことを振り返ることで,健康・安

   全面,さらに衛生面に関しても気をつけて生活する習慣を培う。

   → 病気やけがなどの予防

   (5) 障害認識を深めるとともに,自分の将来,キャリア教育につなげることができるように,体験
  的な学習を効果的に取り入れるようにする

  ・ 自ら学ぶ意欲や社会の変化に主体的に対応し, さらに学びを深める能力や態度の育成を図る。

   → 自立活動の充実,交流及び共同学習の推進