高等部

公開日 2023年10月03日

目標と重点事項

1 学部目標

 生徒の命や人権を守り,一人一人の実態や教育的ニーズに基づいた青年期における課題の解決や人間形成の確立を図り,卒業後の自立と社会参加の実現に積極的に自我関与することのできる生徒を育成する。

2 重点項目

(1)確かな学びの実現

  •  新学習指導要領の趣旨を踏まえ,学びの積み上げをもとに社会生活につながる年間指導計画の見直し,編成に努める。
  •  授業実践の評価改善を基に学習を計画し,生徒が理解を深めたり,課題を解決したりできる指導法の改善,教材・教具の開発に努める。また,ICTの活用を積極的に取り入れ,必要に応じては遠隔授業ができるような体制作りをする。
  •  各課程会を定期的に設定し,個別の指導計画の目標や手立てを共有し,きめ細やかな指導の一貫性を図る。
  •  これまで習得・活用してきたコミュニケーション能力の幅をさらに広げ,自己発信しながら学びに向かうことができる力を育成する。
  •  病棟や保護者との連携のもと,個々の障害の状態や病状,特性などを把握し,指導目標や内容を設定するとともに,学部との共通理解を深め,授業の充実を図る。(訪)

(2)豊かな人間性の育成

  •  集団活動で一人一役,他者(の思い)への気づきを促す活動を工夫し,責任感や所属感,自己有用感を持つようにする。
  •  SDGsの考え方を基に,青年期における生徒一人一人の人権を尊重し,生徒が自己の課題解決や興味関心の拡大に向けて行動し,自尊感情や自己肯定感を高められるようにする。
  •  多様な経験を通して,人や物を意識し,自発的な発信を引き出す学習形態や指導体制を工夫する。(訪)

(3)健康で安心・安全に学べる教育環境の整備

  •  保護者等との連絡,本人の意思確認を密に行い,体調や病気の状態に応じて指導内容や学習姿勢に配慮し,担当者間の連絡を確実に行うようにする。
  •  養護教諭,学校看護師と連携して健康管理や必要な医療的ケアを継続し,生徒の適切な学習環境の整備に努める。
  •  教室及び特別教室等の整備(設営・室温の調節・換気・安全)や衛生管理,教材・教具や校内周辺の整備に取り組む。
  •  家庭との連携を密にし,食に関する指導や口腔ケアの充実を図る。
  •  病棟や保護者との連携のもと,生徒の日々の体調に合わせた指導に努めるとともに,環境(換気,衛生,安全,音量,設営)などを整備する。(訪)

(4)自立と社会参加

  •  学校設定教科「自立と社会参加」,産業現場等における実習や校内実習等の充実を図りながら,個々の課題を明確にし,社会生活に必要な知識や技能の定着に努める。
  •  進路指導部と連携して学部PTA等で進路情報の提供や進路スケジュールの提示,個別の相談等を行い,保護者の理解,協力を得るようにする。
  •  各ケース会や四者面談等を通して,地域の医療や福祉と連携し,生徒の情報共有に努める。
  •  病棟や保護者,学部と連携し,多様な人と関わる経験を重ね,自分らしい表現や役割を果たす場面を設定する。(訪)

3 基本的な考え方と目指す生徒像

〔 A(1)(2)課程 〕

○ 基本的な考え方

 高等学校に準ずる教育を行うことを基本としながら,さらに基礎学力の向上を図り,これまで育んできた生活習慣や態度を基に,社会生活に必要な知識や教養の定着を図る。また,卒業後の自立と社会参加を目指して,人間関係を構築し,自らの病状を正しく理解しながら,生きがいをもって生活できる進路実現につなげていきたい。

○ 目指す生徒像

  •  自ら課題を見付け,意欲的に学習する好奇心旺盛な生徒

  •  病状を正しく理解し,社会生活に耐えうる体力,体調の維持,増進のできる生徒

  •  相手の気持ちを思いやりながら,自分の思いや考えを伝えることができる生徒

  •  自己の健康状態や特性を理解しながら,自ら進路選択・実現できる生徒

〔 C課程 〕

○ 基本的な考え方

 中学部(校)で積み上げてきた力を基盤に,生徒一人一人がその可能性や個性を最大限に発揮できるように,教育課程の内容や支援の在り方等を,障害の状態や発達の段階に応じて随時工夫し改善していく。また,個々の実態が幅広く,ニーズも様々であるので,家庭や関係機関との連携を密にしながら,将来を見据えた学習活動の充実を図っていきたい。

○ 目指す生徒像

  •  健康管理に努めながら,基本的生活習慣の向上を目指す生徒
  •  一日一日の目標を持ちながら,意欲的に活動できる生徒
  •  周囲と調和しながら,豊かな自己表現ができる生徒

〔 D課程 〕

○ 基本的な考え方

 自立活動を主として編成した教育課程で,指導を行うに当たっては,全人的な発達を促すために必要な基本的な指導内容を,これまで育まれた力を基盤に,生徒一人一人の実態に応じて設定する。また,卒業後の社会生活を見据えて,社会集団の中で生きていく力を養うために,他者と関わる力や興味・関心の拡大をねらいとし,学習活動の充実を図っていきたい。

○ 目指す生徒像

  •  健康管理に努めながら,快・不快の状況や体調の変化に対する気付きを自分なりの方法で周囲に発信できる生徒
  •  自分のよさを精一杯生かしながら,自らの表現で他者に関わっていこうとする豊かな自己表現ができる生徒